
マイケル・ジャクソンは、「キング・オブ・ポップ」と称される20世紀を代表する音楽アーティストです。1958年に誕生し、ジャクソン5のメンバーとしてデビューした後、ソロアーティストとして世界的な成功を収めました。
「スリラー」「バッド」「ヒストリー」などの名盤を世に送り出し、革新的な音楽性とダンスパフォーマンスで音楽界に革命をもたらしました。彼の音楽はジャンルを超え、世界中の人々に愛され続けています。2009年に急逝した後も、その影響力は衰えることなく、彼のレコードやメモラビリアは世界中のコレクターから高い評価を受けています。
日本においても熱狂的なファンが多く、特に彼のレコード、特にアナログ盤は高い価値を保ち続けています。
目次
マイケル・ジャクソンのレコード買取のポイント
マイケル・ジャクソンのレコードは、世界的な人気があるため比較的高値で取引されることが多いです。しかし、以下のようなポイントを押さえることで、より高価買取が期待できます。
1. レコードの種類と希少性
オリジナル盤(初回プレス、初版)
限定盤(カラーレコード、ピクチャーレコードなど)
プロモーション盤(非売品のDJ向けレコード)
海外盤(特にUK盤や日本盤)
レア音源収録盤
2. 状態の良さ
ジャケットや盤面に傷がないか
帯付き、ライナーノーツ(解説書)、ポスターなどの付属品が揃っているか
カビや反り、傷がないか
3. 人気タイトル
特に高価買取が期待できるアルバムを後ほど下記で紹介いたします。
マイケル・ジャクソンのレコードを売却するタイミング
レコードを売却する際、時期を選ぶことで買取価格が上がることがあります。以下のタイミングが狙い目です。
誕生日前後(8月下旬)
- 8月29日がマイケル・ジャクソンの誕生日。
- SNSやメディアで話題になり、ファンの購買意欲が高まる。
命日前後(6月下旬)
- 6月25日が命日。
- 追悼特集やメモリアルイベントが開催され、関連グッズの需要が増加。
6月(Black Music Appreciation Month)
- 黒人音楽の歴史を称える月であり、マイケル・ジャクソンも注目される。
- 特に命日と重なるため、需要がさらに高まる可能性あり。
クリスマス・年末年始(11月〜12月)
- 音楽関連のプレゼント需要が増加。
- ボーナスシーズンで高額レコードが売れやすい。
ハロウィン(10月)
- 『Thriller』の影響で、マイケル・ジャクソンの楽曲が最も注目される時期。
- 限定盤の発売やハロウィン特集で価格が上がる可能性あり。
この5つ以外の狙い目
誕生日、命日、6月、クリスマス、ハロウィン以外では、以下の時期もチェックすると良いです。
- アルバム発売記念日(特に『Thriller』11月30日)
- レコードストアデイ(4月・11月)
- 新作ドキュメンタリーや映画公開時
→ 5つの主要タイミングを押さえつつ、価格の変動を見て柔軟に売却するのがベスト
マイケル・ジャクソンの代表的なレコード紹介
以下は、マイケル・ジャクソンの代表的なアルバムであり、コレクターの間で人気があるタイトルです。マイケルジャクソンの作品は、同じタイトルでもバージョンが無数にあります。バージョンが違うだけでもレコードの買取価格は大幅に変動するケースがあるので、是非一度査定にお越しいただけますと幸いです。下記で紹介している買取金額はUS初回盤と国内盤のうちの1つです。
Got to Be There (1972)


マイケル・ジャクソンのデビュー・アルバム『Got to Be There』は、1972年1月24日にMotown Recordsからリリースされました。ジャクソン5のメンバーとしてすでに成功を収めていたマイケルが、ソロアーティストとしての第一歩を踏み出した作品であり、彼の卓越した歌唱力と表現力が光るアルバムとなっています。
本作には、全米シングルチャートで4位を記録したタイトル曲「Got to Be There」をはじめ、ビル・ウィザースの「Ain’t No Sunshine」、キャロル・キングの「You’ve Got a Friend」など、当時の名曲をカバーした楽曲が多数収録されています。特に「Rockin’ Robin」はオリジナルを超えるヒットとなり、全米チャートで2位を記録しました。また、「I Wanna Be Where You Are」もR&Bチャートで2位にランクインし、マイケルのソロアーティストとしての可能性を広く知らしめました。
このアルバムの特徴は、ジャクソン5のポップでキャッチーなスタイルを踏襲しつつも、マイケルの個性的なボーカルの魅力が存分に発揮されている点です。まだ13歳だった彼の声には幼さが残るものの、驚くほどの感情表現の豊かさとソウルフルな歌い回しが印象的です。ジャクソン5ではグループとしてのパフォーマンスが中心でしたが、本作ではマイケル自身の音楽的な個性が際立っています。
アルバム自体の売上はそれほど爆発的ではなかったものの、収録曲のシングルが次々とヒットし、マイケル・ジャクソンというソロアーティストの地位を確立する重要なステップとなりました。この後、彼は同年に2枚目のソロアルバム『Ben』をリリースし、さらに大きな成功を収めることになります。
『Got to Be There』は、マイケル・ジャクソンのキャリアにおいて非常に意義深い作品であり、彼がいかにして世界的なスーパースターへと成長していったのかを知るうえで欠かせないアルバムです。
レコード買取金額はUS初回盤が400円-500円、再発日本盤は700円-800円ほどで買取が行われています。
Ben (1972)ネズミジャケット


マイケル・ジャクソンの2枚目のソロアルバム『Ben』は、1972年8月4日にMotown Recordsからリリースされました。本作は前作『Got to Be There』の成功を受け、ソロアーティストとしての地位をさらに確立するために制作されたアルバムであり、特にタイトル曲「Ben」の大ヒットによって広く知られています。
「Ben」は、映画『ベン』の主題歌として制作されたバラードで、少年がペットのネズミに寄せる愛情を歌った感動的な楽曲です。マイケルの透明感あふれる美しい歌声と、切ないメロディーが見事に融合し、この曲はマイケルにとって初の全米シングルチャート1位を獲得する快挙を成し遂げました。さらに、ゴールデングローブ賞の最優秀主題歌賞を受賞し、グラミー賞にもノミネートされるなど、音楽的にも高い評価を受けました。
アルバム全体としては、前作と同様にソウルやポップの要素を基調としながらも、より洗練された楽曲が多く収録されています。「Greatest Show on Earth」や「Everybody’s Somebody’s Fool」などのアップテンポな楽曲に加え、「My Girl」や「People Make the World Go Round」などのカバー曲も収録されており、当時14歳だったマイケルの多彩な表現力が際立つ作品となっています。
『Ben』は商業的にも成功を収め、全米アルバムチャートで最高5位を記録し、マイケルのソロキャリアにおいて重要なマイルストーンとなりました。このアルバムの成功により、彼はジャクソン5のメンバーとしてだけでなく、ソロアーティストとしての才能を広く認められるようになりました。
この作品は、マイケル・ジャクソンが世界的なスターへと成長していく過程を示す重要なアルバムであり、彼のキャリア初期の代表作のひとつとして今もなお愛され続けています。
レコード買取金額はUSオリジナル盤(ネズミジャケット)が200円から、盤もジャケットも美品(新品未使用レベル)であれば2000円-3000円で買取が行われています。
国内盤は500円-600円ほどです。
Music & Me (1973)


『Music & Me』(1973年)は、マイケル・ジャクソンの3枚目のソロアルバムとして、1973年4月13日にMotown Recordsからリリースされました。本作は、前作『Ben』の成功を受けて制作されましたが、これまでのアルバムとは異なり、バラードを中心とした落ち着いた楽曲が多く収録されていることが特徴です。マイケルはこの作品を通じて、より成熟した表現力を披露し、ヴォーカリストとしての進化を示しました。
アルバムのタイトルにもなっている「Music and Me」は、マイケルが音楽に対して抱く純粋な愛情を歌ったバラードであり、彼のキャリアの中でも特に象徴的な楽曲のひとつとなっています。また、スティーヴィー・ワンダーの楽曲をカバーした「With a Child’s Heart」も収録されており、少年の純粋な心を持ち続けることの大切さを歌っています。この曲はシングルとしてもリリースされましたが、全米R&Bチャートで50位と、前作のような大ヒットには至りませんでした。
本作では、ナット・キング・コールの「Too Young」や、ジャッキー・ウィルソンの「Doggin’ Around」などのカバー曲も収録されており、マイケルの歌唱力を存分に楽しめる作品となっています。まだ14歳だった彼の歌声には少年らしさが残るものの、感情表現は一層豊かになり、より洗練された大人びた雰囲気を醸し出しています。
しかし、アルバム自体の商業的な成功は前作ほどではなく、Motownにとっても期待外れの結果となりました。これは、本作には「Ben」のような明確なヒット曲がなかったことが影響していると考えられます。シングルとしてリリースされた楽曲も大きなチャートアクションを記録することはなく、マイケルのソロ活動の中ではやや地味な存在となっています。
とはいえ、本作はマイケルの音楽的な成長を感じさせる作品であり、彼のヴォーカリストとしての力量を改めて証明するアルバムとなりました。また、タイトル曲「Music and Me」は、彼の人生を象徴する楽曲として、後年にわたってファンの間で親しまれ続けています。
商業的な成功には至らなかったものの、『Music & Me』はマイケル・ジャクソンがアーティストとして着実に成長し、後のキャリアに繋がる大きなステップとなった作品と言えるでしょう。
USオリジナル盤のレコード買取金額は状態により200円-800円ほどに変動します。国内盤も700円から2000円の間で買取が行われています。
Forever, Michael (1975)


『Forever, Michael』(1975年)は、マイケル・ジャクソンの4枚目のソロアルバムとして、1975年1月16日にMotown Recordsからリリースされました。本作は、マイケルが16歳になった頃に発表されたアルバムであり、これまでの作品と比べてより成熟した雰囲気が感じられる内容となっています。少年時代の高音から、より深みのあるボーカルへと成長しつつあるマイケルの変化を確認できる作品でもあります。
本作は、前作『Music & Me』と異なり、よりアップテンポな楽曲が多く収録されており、ダンサブルなR&Bやポップソングが中心となっています。特に「We’re Almost There」と「Just a Little Bit of You」は、シングルとしてリリースされ、Motown時代のマイケルの楽曲の中でも人気の高いナンバーとなりました。「We’re Almost There」は、繊細なメロディーと感情豊かな歌唱が特徴のバラードであり、「Just a Little Bit of You」は、軽快なリズムとソウルフルな歌声が魅力のポップソングです。
また、本作ではプロデューサーが大きく変わり、フレディ・ペレン(Freddie Perren)やブライアン・ホーランド(Brian Holland)といった名プロデューサーが携わっています。これにより、モータウンらしいサウンドにディスコやファンクの要素が加わり、よりモダンな楽曲が生まれました。特に、後のマイケルの音楽スタイルへとつながる方向性が見え始めた作品ともいえます。
しかし、本作の商業的な成功は限定的であり、シングル曲もチャート上位に食い込むことはありませんでした。その後、マイケルはジャクソンズ(旧ジャクソン5)の一員としての活動に重点を置き、モータウンを離れてEpic Recordsへ移籍することになります。そのため、『Forever, Michael』はMotown時代最後のソロアルバムとなりました。
本作は、マイケル・ジャクソンのキャリアの中ではやや地味な存在かもしれませんが、彼のボーカルの成長やより洗練されたサウンドへの進化が感じられる重要な作品です。後の『Off the Wall』や『Thriller』へと続く過程において、マイケルがアーティストとして成熟していく様子を垣間見ることができるアルバムとなっています。
レコード買取金額はUSオリジナル盤は200円-500円。国内盤は600円-800円ほどです。
Off the Wall (1979)


『Off the Wall』(1979年)は、マイケル・ジャクソンがEpic Recordsへ移籍し、クインシー・ジョーンズをプロデューサーに迎えて制作された、彼のキャリアにおける大きな転機となるアルバムです。1979年8月10日にリリースされた本作は、それまでのモータウン時代のポップで可愛らしい少年スターのイメージを完全に脱却し、洗練されたR&B、ディスコ、ファンク、ポップの要素を融合させた革新的な作品として、音楽界に新たな衝撃を与えました。
アルバムのプロダクションは、クインシー・ジョーンズによる緻密なサウンド設計のもと、スタジオ・ミュージシャンのトッププレイヤーたちが集結し、よりダンサブルでグルーヴ感のあるアレンジが施されています。シングルカットされた「Don’t Stop ’Til You Get Enough」は、マイケルが初めて作詞・作曲を手掛けた楽曲で、疾走感あふれるファンクビートに乗せたファルセットボイスとエネルギッシュなパフォーマンスが話題を呼び、全米シングルチャート1位を獲得しました。同じく1位を記録した「Rock with You」は、スムーズでメロディアスなディスコバラードであり、しなやかで繊細なボーカルが印象的な楽曲です。
さらに、タイトル曲「Off the Wall」は軽快なリズムと自由な雰囲気が特徴のナンバーであり、感情を込めたバラード「She’s Out of My Life」では、歌の終盤にマイケルが涙を流すような演出が施され、その繊細な表現力が大きな反響を呼びました。本作の画期的な点は、単なるディスコアルバムにとどまらず、R&Bとポップの境界を超えた新しい音楽スタイルを確立したことにあります。それまでのR&Bアルバムでは珍しく、収録曲の4曲が全米トップ10入りを果たし、R&Bアーティストとして史上初の快挙を達成しました。商業的にも圧倒的な成功を収め、全世界で2,000万枚以上を売り上げ、グラミー賞では「最優秀R&B男性ボーカルパフォーマンス賞」を受賞しました。
しかし、マイケル自身はこの評価に満足せず、より大きな成功を求める決意を固めたといわれています。『Off the Wall』は、彼が子供スターから完全に脱却し、アーティストとしての独自性を確立したアルバムであり、後の『Thriller』へと続く音楽的進化の基盤を築いた作品です。このアルバムによって、マイケル・ジャクソンは単なるポップシンガーではなく、時代を超えて愛される音楽のアイコンへと成長する第一歩を踏み出したのです。
レコード買取金額はUS初回盤がピンキリで200円から4800円。初回の国内盤が600円から2000円ほどとなります。
Thriller (1982)


『Thriller』(1982年)は、マイケル・ジャクソンが世界的スーパースターへと飛躍するきっかけとなった、音楽史上最も影響力のあるアルバムの一つです。1982年11月30日にリリースされた本作は、前作『Off the Wall』の成功をさらに発展させ、R&B、ポップ、ロック、ファンクの要素を融合させた画期的なサウンドを生み出しました。プロデューサーのクインシー・ジョーンズと共に制作されたこのアルバムは、音楽業界の常識を覆し、1980年代のポップミュージックの方向性を決定づける作品となりました。リリース当初から圧倒的な人気を集め、シングルカットされた「Billie Jean」、「Beat It」、「Thriller」を含む7曲が全米トップ10入りを果たすという前代未聞の成功を収めました。
特に、「Billie Jean」は、特徴的なベースラインと謎めいた歌詞が話題を呼び、世界中で大ヒットを記録。「Beat It」では、エディ・ヴァン・ヘイレンのギターソロをフィーチャーし、ポップとロックを融合させた新たなスタイルを確立しました。また、「Thriller」は、その後のミュージックビデオの概念を一変させるほどの影響力を持ち、映画のようなストーリー性とダンスパフォーマンスが話題を呼びました。このミュージックビデオはMTVの歴史を変え、黒人アーティストの映像作品がメインストリームで広く受け入れられるきっかけとなりました。
商業的にも『Thriller』は前代未聞の成功を収め、全世界で累計7000万枚以上を売り上げ、ギネス世界記録にも「最も売れたアルバム」として認定されました。アメリカ国内だけでも3300万枚以上を売り上げ、1984年にはグラミー賞で史上最多となる8部門を受賞し、音楽業界の最高峰の評価を獲得しました。また、このアルバムは単なる商業的な成功にとどまらず、ポップミュージックの枠を超えた文化的な影響も与えました。マイケルは、このアルバムによって音楽、ファッション、ダンス、映像のすべてにおいてアイコン的存在となり、世界中のアーティストに影響を与えました。特に、「ムーンウォーク」の登場は彼の象徴的なダンススタイルとなり、ライブパフォーマンスの歴史に残る伝説的な瞬間となりました。
『Thriller』の成功は、単なるアルバムヒットを超え、音楽業界のビジネスモデルやプロモーション手法にまで影響を与えました。アルバムから次々とシングルがヒットし、長期間にわたってチャートを席巻するという戦略は、以降のアーティストたちのマーケティング戦略の参考となりました。さらに、ミュージックビデオの重要性を証明し、映像と音楽を一体化させる新たな時代を切り開きました。マイケル・ジャクソンはこのアルバムを通じて、「ポップの王者(King of Pop)」という称号を確立し、ジャンルを超えてすべての世代に愛されるアーティストとしての地位を確立しました。『Thriller』は、単なる一つのアルバムではなく、音楽史そのものを塗り替えた歴史的な作品として、今なお語り継がれています。
US初回盤(裏にマイケル自身もクレジットされているもの)の買取金額は状態により大幅に変動し、200円-4400円の買取金額になります。帯付きの国内盤は400円-900円です。
『スリラー』は中古レコード市場の景気指数?
マイケル・ジャクソンの『スリラー』は、ギネス世界記録に認定されるほど売れた史上最も売れたアルバム。その影響は中古レコード市場にも及んでおり、業界全体の相場を測る「指標」のような存在になっています。
なぜ『スリラー』が指標になるのか?
・世界中で膨大な枚数が流通しており、中古市場にも常に出回っている
・人気のアルバムなので、市場の需要と供給のバランスが価格に反映されやすい
・レコードブームの影響を受けやすく、相場の変動が市場全体の動向とリンクしやすい
『スリラー』の価格と市場の関係
・価格が下がる時 → 中古レコード市場全体の需要が低迷し、相場が下落傾向
・価格が上がる時 → 市場全体の需要が高まり、相場が上昇傾向
つまり、『スリラー』の値動きを見れば、中古レコード市場全体の景気が分かる可能性があるのです。
スリラーのほかには、ビートルズのアルバムも全体的に指標として使えます。
ビートルズのレコード買取に関する記事は以下をご覧ください。
Bad (1987)


『Bad』(1987年)は、マイケル・ジャクソンが『Thriller』の歴史的成功を経て、さらなる進化を遂げたアルバムであり、彼のキャリアにおけるもう一つの重要なマイルストーンとなりました。1987年8月31日にリリースされた本作は、前作に続きクインシー・ジョーンズがプロデュースを担当し、ポップ、R&B、ロック、ファンクの要素をより攻撃的かつ洗練された形で融合させた作品となっています。マイケル自身が本格的にソングライティングに関与し、収録曲のうち9曲を自ら作詞・作曲したことも特徴の一つです。『Bad』の最大の特徴は、そのエネルギッシュで鋭いサウンドと、よりパーソナルでメッセージ性の強い歌詞にあります。前作『Thriller』ではホラーや幻想的な世界観が前面に出ていましたが、『Bad』ではマイケル自身の内面や、社会に対する強いメッセージが込められています。
『Bad』は史上初めて、アルバムから5曲のシングルが全米シングルチャート(Billboard Hot 100)で1位を獲得するという前代未聞の記録を達成しました。そのうちの一つ、「Bad」は、クインシー・ジョーンズと共同制作した楽曲で、マイケルの「自身のイメージを刷新したい」という意図が反映された楽曲です。MVではストリートを舞台にしたダンスバトルが展開され、彼の新たなビジュアルスタイルとともに話題となりました。「The Way You Make Me Feel」は、軽快なリズムとセクシーなボーカルが特徴で、マイケルの洗練されたダンススタイルが光る楽曲です。一方、「Man in the Mirror」は、自己改革と社会貢献をテーマにした感動的なバラードで、マイケルが伝えたかったメッセージ性が最も強く表れた楽曲の一つです。「I Just Can’t Stop Loving You」は、スムーズなラブバラードで、デュエット相手にはシーディ・ギャレットを迎え、アルバムの柔らかい一面を担いました。そして、「Dirty Diana」は、エレキギターを前面に押し出したハードロック調の楽曲で、女性ファンに対する複雑な感情を描いた異色の作品です。これらの楽曲はすべてシングルとして大ヒットし、アルバムの商業的成功に大きく貢献しました。
『Bad』は商業的にも圧倒的な成功を収め、リリースからわずか5日間で220万枚を売り上げるという驚異的なスタートを切りました。最終的には全世界で3500万枚以上を売り上げ、当時の売上記録を更新しました。また、アルバムを引っ提げた「Bad World Tour」は、当時としては前例のない規模のツアーとなり、全世界で440万人以上を動員し、興行収入は1億2500万ドルを超えました。このツアーは、マイケルが「史上最も影響力のあるライブパフォーマー」の地位を確立するきっかけとなり、彼のライブパフォーマンスに対する評価を一段と高めました。
『Bad』はまた、マイケル・ジャクソンのファッションやビジュアルスタイルにも大きな変化をもたらしました。黒のレザージャケット、スタッズのついた衣装、タイトなパンツ、巻き毛のヘアスタイルなど、本作で確立されたスタイルは彼のトレードマークとなり、多くのファンに影響を与えました。また、ミュージックビデオの進化も見逃せません。『Thriller』で確立された映像作品としてのクオリティをさらに押し上げ、「Smooth Criminal」のMVでは、あの有名な「45度傾斜ダンス」が披露され、視覚的なインパクトが強い映像作品として歴史に残りました。「Leave Me Alone」では、メディアによる過度な報道に対する皮肉を込めた演出が施され、マイケルの心境を直接的に表現した作品となっています。
『Bad』は単なるポップアルバムではなく、マイケル・ジャクソンがアーティストとしてさらなる進化を遂げ、音楽、ビジュアル、パフォーマンス、そしてメッセージ性のすべてにおいて新境地を開拓した作品です。『Thriller』の後継としてのプレッシャーを抱えながらも、それを見事に乗り越え、マイケルの音楽的キャリアの中でも最も影響力のあるアルバムの一つとなりました。この作品を通じて、彼は「King of Pop」としての地位を不動のものとし、以降の音楽シーンに多大な影響を与えることとなりました。『Bad』は、単なるアルバムではなく、マイケル・ジャクソンが音楽界を完全に支配した時代の象徴であり、ポップミュージックの歴史に燦然と輝く名盤として、今なお語り継がれています。
レコード買取金額はUSオリジナル盤が300円-2600円。初回日本盤は600円-4000円になります。
Dangerous (1991)

『Dangerous』(1991年)は、マイケル・ジャクソンが音楽的にもビジュアル的にもさらなる進化を遂げたアルバムであり、彼のキャリアにおける最も革新的な作品の一つです。1991年11月26日にリリースされた本作は、前作『Bad』に続く4年ぶりのアルバムであり、クインシー・ジョーンズとの長年のコラボレーションを解消し、新たにテディ・ライリーを迎えたことで、当時最先端の「ニュー・ジャック・スウィング(New Jack Swing)」を全面的に取り入れたサウンドが特徴となりました。これまでのポップ、R&B、ファンクに加え、ヒップホップやインダストリアルの要素も融合し、マイケルの音楽の幅を大きく広げることとなりました。アルバムは、全世界で3200万枚以上を売り上げる大ヒットを記録し、90年代の音楽シーンに多大な影響を与えました。
本作のテーマは「社会批判」「個人の葛藤」「愛」「人種問題」など、多岐にわたります。アルバムのオープニングを飾る「Jam」は、エネルギッシュなビートと攻撃的なラップが特徴で、マイケルが新たな時代に突入したことを象徴する楽曲となりました。「Black or White」は、人種差別や偏見をテーマにしたメッセージ性の強い楽曲で、ロックとヒップホップを融合させたサウンドが話題を呼びました。特に、この楽曲のミュージックビデオでは、CG技術を駆使したモーフィング(人の顔が変化する映像)が世界的に注目を集め、MTV史上最大の視聴率を記録しました。また、シングル曲の「Remember the Time」は、エジプトを舞台にした豪華なミュージックビデオが話題となり、エディ・マーフィーやイマンなどのスターが出演したことでも知られています。「In the Closet」は、セクシーでミステリアスな雰囲気を持つ楽曲であり、マイケルの新たな一面を見せるものとなりました。
アルバムの中盤では、より深いメッセージを持つ楽曲が展開されます。「Who Is It」は、重厚なビートと切ない歌詞が特徴の楽曲で、裏切りや孤独をテーマにしています。「Will You Be There」は、ゴスペルの要素を取り入れた壮大なバラードで、映画『フリー・ウィリー』の主題歌としても知られ、マイケルの慈愛に満ちたメッセージが込められています。また、「Gone Too Soon」は、エイズで亡くなった少年ライアン・ホワイトに捧げられた楽曲で、シンプルながらも深い感動を呼ぶバラードとなっています。そして、タイトル曲「Dangerous」は、力強いビートとスリリングな展開が特徴のダンスナンバーであり、マイケルの新たな音楽的挑戦を象徴する楽曲の一つとなりました。
『Dangerous』は、音楽的な進化だけでなく、ビジュアル面でも革新をもたらしました。本作に収録された楽曲のミュージックビデオは、いずれも高度な映像技術と芸術性を取り入れたものであり、特に「Black or White」や「Remember the Time」は、MTVでの放送が社会現象となりました。また、このアルバムを引っ提げて行われた「Dangerous World Tour」は、全世界で約3500万人の観客を動員し、マイケルのパフォーマンスのスケールと影響力をさらに拡大することとなりました。さらに、本作からは9曲ものシングルがリリースされるという異例の展開を見せ、アルバム全体が非常に高い完成度を持っていることを証明しました。
商業的な成功に加え、『Dangerous』は音楽業界においても重要な位置を占める作品となりました。アルバムはビルボード200で初登場1位を記録し、1993年には「アメリカン・ミュージック・アワード」で「Favorite Pop/Rock Album」「Favorite Soul/R&B Album」を受賞するなど、数々の栄誉に輝きました。また、ニュー・ジャック・スウィングというジャンルをポップミュージックのメインストリームに押し上げたことにより、90年代以降の音楽シーンにも大きな影響を与えました。
CDの時代に突入し、レコードのプレスは減少しているため希少です。日本盤は存在せず、US盤は2200円-15000円のレコード買取金額です。
HIStory Past, Present and Future, Book I (1995)

『HIStory: Past, Present and Future, Book I』(1995年)は、マイケル・ジャクソンが自身のキャリアの集大成と、新たな挑戦を融合させた野心的なアルバムであり、彼の最もパーソナルでメッセージ性の強い作品の一つです。1995年6月20日にリリースされた本作は、2枚組の構成となっており、ディスク1には『Off the Wall』から『Dangerous』までのヒット曲を収録したベストアルバム、ディスク2には新曲15曲を収録したオリジナルアルバムが収められています。『HIStory』は、1993年に起きた児童虐待疑惑やメディアからのバッシングといった困難を乗り越えたマイケルが、自己の内面と向き合い、社会に対する怒りや悲しみを込めて制作した作品であり、これまでのポップスターとしての華やかなイメージとは一線を画す、より挑戦的で政治的なメッセージを含んだ内容となっています。リリース後、アルバムは全世界で約4000万枚を売り上げる大ヒットを記録し、ギネス世界記録にも「史上最も売れた2枚組アルバム」として認定されました。
オリジナルアルバムとしてのディスク2は、マイケルの怒り、苦悩、希望、そして愛が込められた濃密な作品となっています。アルバムの幕開けを飾る「Scream」は、ジャネット・ジャクソンとのデュエット曲であり、メディアの過剰な報道や偏見に対する痛烈な批判が込められています。ハードなビートと未来的なサウンドが特徴で、MVは当時最も高額な制作費(約700万ドル)がかけられたことでも話題となりました。「They Don’t Care About Us」は、人種差別や社会的不公正を糾弾する強烈なメッセージソングで、ブラジル・リオデジャネイロのスラム街で撮影されたMVは、世界中で議論を巻き起こしました。一方、「Stranger in Moscow」は、孤独と悲しみを歌った叙情的なバラードであり、シンプルなピアノの旋律とマイケルの哀愁漂うボーカルが印象的です。「Earth Song」は、環境破壊や戦争の悲劇をテーマにした壮大なバラードで、力強いボーカルとドラマチックな展開が特徴であり、ヨーロッパを中心に大ヒットしました。さらに、「You Are Not Alone」は、マイケルのキャリアの中で初めて全米シングルチャート初登場1位を獲得した楽曲であり、感動的なラブバラードとして世界中のファンに愛されました。
アルバム後半では、マイケルの多様な音楽スタイルが光ります。「Money」は、金銭至上主義への批判を込めたファンク調の楽曲であり、「D.S.」では、児童虐待疑惑を担当した検察官トム・スネドンに対する痛烈なメッセージが込められています。また、「This Time Around」では、当時人気絶頂だったノトーリアス・B.I.G.をフィーチャーし、ヒップホップ要素を大胆に取り入れるなど、新たな音楽的挑戦も見られます。「Come Together」は、ビートルズのカバー曲であり、元々映画『Moonwalker』のために録音されたものが、ついに正式なアルバム収録となりました。そして、アルバムのラストを飾る「Smile」は、チャールズ・チャップリンの名曲をマイケル流にアレンジしたものであり、彼の人生観やメッセージが凝縮された感動的なエンディングとなっています。
『HIStory』は、単なる音楽アルバムではなく、マイケル・ジャクソンの人生そのものが詰め込まれた作品といえます。これまでのキャリアを総括しながらも、新たな音楽的挑戦を盛り込み、彼が世の中に伝えたかったメッセージを強烈に発信しています。特に、「They Don’t Care About Us」や「Earth Song」のような社会問題を扱った楽曲は、ポップアーティストとしての枠を超え、アクティビストとしての彼の姿勢をより鮮明にしました。商業的にも大成功を収めた本作は、グラミー賞にも複数ノミネートされ、1996年には「HIStory World Tour」が開催されました。このツアーは、全世界58都市で450万人を動員し、史上最大規模のワールドツアーとして記録されています。また、アルバムのリリースに伴い、マイケルは歴史的な「HIStory」プロモーションイベントを開催し、ロンドンのテムズ川に巨大なマイケル像を浮かべるなど、空前のスケールでアルバムを宣伝しました。
レコード買取金額は7000円-20000円となります。
Invincible (2001)

『Invincible』(2001年)は、マイケル・ジャクソンにとって最後のスタジオアルバムとなった作品であり、音楽的にも技術的にも彼の集大成ともいえるアルバムです。2001年10月30日にリリースされた本作は、前作『HIStory』(1995年)から6年ぶり、オリジナルアルバムとしては『Dangerous』(1991年)以来10年ぶりのリリースとなりました。長い制作期間の間に、音楽業界はデジタル化が進み、ヒップホップやR&Bのトレンドも大きく変化していましたが、マイケルはこれらの要素を積極的に取り入れながら、自身の音楽スタイルをさらに進化させた作品を完成させました。テディ・ライリー、ロドニー・ジャーキンス(ダークチャイルド)、そしてR.ケリーら当時の最先端のプロデューサー陣と共に制作された『Invincible』は、ニュー・ジャック・スウィング、ヒップホップ・ソウル、エレクトロニックR&Bなどの要素を取り入れた、最も現代的なサウンドを持つマイケルのアルバムとなりました。
アルバムのオープニングを飾る「Unbreakable」は、マイケルの決意と不屈の精神を象徴する楽曲であり、パワフルなビートとラップを取り入れた攻撃的なナンバーです。故ノトーリアス・B.I.G.のヴァースをフィーチャーしており、ヒップホップとの融合を強く意識したトラックとなっています。続く「Heartbreaker」では、ロドニー・ジャーキンスのプロデュースによるデジタルなビートと洗練されたコーラスワークが特徴的で、マイケルのヴォーカルがよりリズミカルに展開されます。シングルカットされた「You Rock My World」は、往年のマイケルのファンクサウンドを現代的に昇華させた楽曲であり、スムーズでキャッチーなメロディが際立つナンバーです。ミュージックビデオでは、俳優のクリス・タッカーと共演し、映画のようなストーリー仕立ての映像が話題となりました。「Butterflies」は、ジャズやネオ・ソウルの影響を受けた美しいバラードで、マイケルの繊細なファルセットが際立つ楽曲として高く評価されました。また、「Speechless」は、マイケル自身が最も気に入っていたとされるバラードで、アカペラで始まるシンプルなアレンジとエモーショナルなボーカルが魅力的な楽曲となっています。
『Invincible』の特徴として、アルバム全体を通じて「愛」「勇気」「社会問題」などのテーマが強調されている点が挙げられます。「Privacy」では、マスコミの過剰な取材やパパラッチに対する怒りを直接的に表現しており、「Threatened」では、テクノホラー風のサウンドとともに、社会に対する批判的なメッセージが込められています。また、「Cry」は、R.ケリーが手がけた壮大なバラードで、人々が団結し、より良い世界を作ることの重要性を歌っています。「The Lost Children」は、虐待や貧困に苦しむ子どもたちに寄り添うような楽曲で、マイケルの慈愛に満ちたメッセージが感じられる一曲です。
しかし、『Invincible』は音楽的な完成度の高さにもかかわらず、商業的には『Thriller』や『Bad』のような大成功を収めることができませんでした。その大きな要因の一つは、マイケルと所属レーベルであるソニー・ミュージックとの対立です。アルバムのプロモーションが十分に行われず、予定されていたシングルのリリースも途中で打ち切られるなど、レーベル側の消極的な対応が影響を及ぼしました。また、当時は音楽業界全体がCDからデジタル配信への移行期にあり、違法ダウンロードの増加もアルバムの売上に影響を与えたと考えられています。それでも、『Invincible』は全世界で約1000万枚を売り上げ、2001年のベストセラーアルバムの一つとなりました。
レコード買取相場は3000円-20000円ほどとなります。
マイケル・ジャクソンのレコードを少しでも高く売るコツ
1. 付属品を揃える
帯、ライナーノーツ、ポスターなどの付属品が完備していると買取価格が上がります。
2. クリーニングをしておく
汚れやホコリを取り除き、可能であればジャケットもきれいにしておきましょう。
3. 複数の買取店で査定を受ける
買取価格は店舗によって異なるため、比較してより高額査定の店舗を選びましょう。
4. オークションやフリマアプリも検討する
店舗よりも高値で売れることがありますが、手間がかかるため注意が必要です。
まとめ
マイケル・ジャクソンのレコードは、世界的な人気があるためどの作品でも中古市場で高い需要があります。特に、初回プレスや限定盤、プロモ盤などのレアなレコードは高価買取の対象となることが多いです。
また、誕生日や命日、Black Music Appreciation Monthなどの時期を狙うことで、より高値で売却できる可能性があります。さらに、状態を良く保ち、付属品を揃え、複数の買取業者で査定を受けることが重要です。
売却を検討している方は、今回のポイントを参考にして、少しでも高くレコードを手放せるようにしましょう。
迷ったら横浜レコードへ!
横浜レコードの強み

創業39年になる音楽業界での豊富な経験
横浜レコードは、2025年で創業40年の歴史を持つレコード買取専門店です。
今までに累計500万枚以上の買取実績があります。
信頼されるサービスと経験豊富な査定士による丁寧な査定が弊社を支えていおり、ジャンルや年代を問わずあらゆるレコードを取り扱うことで、多くの方に喜ばれております。特に海外販路を活用することで他社の相場より高額買取が可能です。
さらに、NHKニュースウォッチ9をはじめとする様々なメディアで紹介されるなど、その信頼性も高く評価されています。
横浜レコードは豊富な買取実績と信頼性を兼ね備えたレコード買取業者として、多くの顧客に支持されています。

国際的な視点による高価買取戦略
横浜レコードは、ドイツ、アメリカ、イギリスにグループ会社を持ち、国際的な視点で市場価値を把握することで、高額査定を実現しています。各国の相場情報を常にアップデートし、お客様にとって最も有利な条件で買取を行っているため、他店では難しい高額査定も可能です。
様々なプラットフォームを通じて世界中に再流通させることで、お客様の音楽資産を最大限に評価しています。
このように横浜レコードでは日本国内だけでなく海外の市場にも対応した高価買取が可能となっています。